名義貸し行為

税理士業務は税理士でないとできません。

 

その税理士業務とは、

他人の求めに応じ、租税に関して、次に掲げる事務を行うことを業とする(注1)ことをいう旨規定されています。

1 税務代理(法第2条第1項第1号)

税務官公署に対する申告等につき、又はその申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行すること(次の2にとどまるものを除きます。)をいいます。

2 税務書類の作成(法第2条第1項第2号)

税務官公署に対する申告等に係る申告書等を作成する(注2)ことをいいます。

3 税務相談(法第2条第1項3号)

税務官公署に対する申告等、法第2条第1項第1号に規定する主張若しくは陳述又は申告書等の作成に関し、租税の課税標準等(国税通則法第2条第6号イからヘまでに掲げる事項及び地方税に係るこれらに相当するものをいいます。以下同じです。)の計算に関する事項について相談に応ずることをいいます。

(注1)「業とする」とは、税務代理、税務書類の作成又は税務相談を反復継続して行い、又は反復継続して行う意思をもって行うことをいい、必ずしも有償であることを要しないこととされています(基通2-1)。

(注2)「作成する」とは、申告書等を自己の判断に基づいて作成することをいい、単なる代書は含まれないこととされています(基通2-5)。

税理士の資格のない方(非税理士)が上記のような税理士業務を行うことは法律違反となります。

先日『税理士界』という業界紙に、税理士資格のない者への名義貸し行為の指標が載っていました。

名義貸しによる税理士懲戒処分の事案が増加しているからのようです。

では、その名義貸し行為となるのは?

⑴ 税理士が自らの判断で税務書類を作成していない。

⑵ 税理士が納税者から直接税理士業務の委嘱を受けていない

⑶ 税理士が報酬を直接収受していない

事例)

・無資格者が計算・作成した申告書類への署名押印だけを税理士が行う

・無資格者が下書きした申告書を税理士のパソコンに下書きそのままに入力し電子署名を行い電子申告をする

・税理士が無資格者に対して申告書の作成等を依頼し、その申告書に署名捺印を行う

・税理士が無資格者を雇用しているように偽装して、その無資格者が計算・作成した申告書に税理士が署名押印を行う

・税理士が経営している会計法人に勤務する使用人(税理士事務所の職員ではない)に、申告書の作成を指示し、その申告書に署名押印を行う

ほかにも事例が載っていましたが、上記の事例が実際に多いのだと思います。

私が独立して顧問契約を結んだお客様の中にも、無資格者が申告書を作成し、署名押印している税理士には会ったこともなかったという会社があります。

何故無資格者が申告書を作成してはだめなんでしょうか?

税理士法には税理士の使命が第1条に規定されています。

「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」

納税義務の適正な実現を図るためにも会計・税についての一定以上の知識等が必要なので資格制度があるんですよね。

仮に無資格者が長年にわたり税理士事務所等での勤務経験があり、勉強もできていたとしても、資格を持っていないということはやはり何かが足りないのだと思います。

その足りない部分のために損失を被るのは納税者です。

私のお客様も、無資格者に依頼していたことを悔やんでおられました。

税理士が、非税理士への幇助ともいうべき名義貸し行為は許されるものではありません。

税理士 松井千春

2017,3,25

2017年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春

AIって怖い?!

先日の日経新聞に”AI襲来 眠れぬサムライ”という副題で記事が出ていました。

東芝の監査を担当した新日本監査法人の関係者が「AI(人工知能)があれば、不正の温床となったバイセル取引を見抜けたんじゃないか」と悔やんでいると。

 

このこと等から、「10~20年後にAIやロボットで代替可能」という職業の中に、会計士、弁理士、行政書士、税理士の4士業が含まれているそうです。

そのため仕事を奪われてしまうと不安を募らせている公認会計士がおられるというような記事でした。

 

まぁ一部の業務や作業についてはそうかもしれません。

でもものは考えようで、ロボットができることはロボットにさせて、もっと深いところでお客様と繋がればいいと思うんですよね。

 

会計の作業は証憑書類を確認して仕訳というものを起こして、帳票に仕上げていきます。

これは単純作業・・・作業なんです。

士業がこの作業をすることでお客様に喜ばれている部分はあると思いますが、国家資格を取得した士業だけができるというような内容のものではありません。

その部分がAIやロボットに取られても構わないと思っています。

むしろ手がかかる作業が減るのなら嬉しい。

 

ドクターXというドラマでフリーランスの女医が

院長回診の同行や論文の手伝いなど、他の人でもできることは『いたしません!』と断るシーンが毎回ありました。

とても痛快なドラマでした(笑)

 

こんな高飛車に出るなんてことはいたしませんが、私にしかできないことに力を入れていきたいと思っています。

 

 

AIが急速に発達して、ついていけないという場面がでてくるかも知れないとは思っています。

パソコンが一般家庭にも普及したときでも、古い考えの先生は顧問先が自計化(自社で経理すること)することに懐疑的でした。

顧問料を下げないとダメになるとか、仕事が減るとか…。

 

今はどうでしょうか?

自計化できていないところもありますが、ある程度自計化は当り前になっています。

 

頭が固くならないように、

新しいことにも興味を持つ

そして何をすればいいのかを考えて準備しておけば何も慌てなくていいはずです。

 

天災のように突然AIが襲来してくる訳ではないですよね。

 

税理士 松井千春

2017,3,17

2017年3月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春

フリーランスに朗報!

先日『フリーになる!』というタイトルで、フリーランスで活動することのデメリット的なことを書きました。

 

そのデメリットのひとつである「仕事ができなくなったとき」のための所得補償保険が創設されるようです。

 

所得補償保険は以前からありますが、保険料負担が辛くて私も未だ加入してません(-_-;)

 

昨日の日経新聞の記事によると、

 

政府はフリーで働く人への支援を手厚くする。

柱の一つが所得補償保険の創設。

損保大手と専用の商品を開発し、契約がなくなった場合にも所得を得られるようにする。

今年発足した業界団体「フリーランス協会」に加入すれば、保険料が最大5割軽減される団体割引のしくみとする。

 

この、フリーランス協会をググってホームページを見てみたのですが、

まだ発足して間もないからか上記のような保険料のことなどがわかるようなページは見つけられませんでした💦

 

政府はこの他にも契約のルールも明確にしていくようです。

仕事を発注する会社との契約は未整備のところも多いようです。

 

このように政府や民間団体が動いてくれるのはありがたいことですが、

それでも雇用されるのとは全然違うわけですから自衛するのは当然となります。

 

ある程度稼ぎがあるのでしたら、『小規模企業共済』に加入することをお勧めします。

これは自分自身の退職金を自分で積み立てていくものです。

一年に積み立てた金額(支払った金額)を所得から引いてもらえます。

つまり、経費として支払った場合と同じ効果があるわけです。

 

退職金用なので、積み立てた金額を受取れるのは随分先ですし、早めに解約すると元本割れしてしまいます。

掛金は月額1,000円から7万円までの範囲で選択できますので、

解約せずに掛金を低くすれば元本割れを回避できます。

また、どうしても資金が必要なときは、この積立額を担保に融資も受けられます。

 

毎年の所得税と住民税が軽減されるので、納税額がでる方にとってはとてもお得な制度です。

 

若いうちに加入していれば、時間が味方してくれます。

少額の掛金で始めても途中事業が好調のときには掛金を増額したり、

長く掛け続けることで将来事業を辞めるときにまとまった金額を受取れますから老後も安心です。

 

税理士 松井千春

2017,3,15

2017年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春

個人の確定申告をほぼ終えて

所得税の申告期限は3月15日です。

今日は3月13日。あと丸2日あります。

まだまだ申告書と格闘する個人事業主さんや税理士事務所もあると思いますが、私の事務所は今朝、最終の電子送信を終えました。

 

私が最初に勤めた事務所のお客様は圧倒的に個人事業が多かったんです。

また、高所得の方が多かったため、消費税とともにその申告件数は一時期200件以上あったように思います。

そのうちの何件を自分が担当していたのかは覚えていませんが、毎日とても辛くて大変で、でも充実した毎日でした(笑)

そんな沢山の申告書を今と違って全て印刷して捺印をもらい、税務署に提出していたのでかなり早い時期から申告の準備を始め、早めに終了して確認作業に入っていました。

なので、200件以上あっても13日頃には殆どが提出を済ませていました。

そういう事務所にいたからか、今でも早く仕上げないと不安で不安で(*≧艸≦)

 

そんな個人事業の多い事務所に長く勤めていて沢山の経験を積ませていただいた私でも、未だに経験したことのないような案件が舞い込んできます。

それは所得税が故のことなんですよね。

 

例えば、所得の種類。

法人なら、単純に益金と損金で考えればいいんですが、所得税の場合はその所得を課税の対象となるものと、課税の対象にならないものに分けて、

課税の対象となるものは更にその内容によって10種類に区分しなければなりません。

 

事業所得なのか?

雑所得なのか?

事業なら青色の特典が使えるけれど、雑ならダメだし…。

 

所得区分はできても、それに対する経費なのか?

 

今年は微妙なことで悩むことが多かったです。

 

お客様に多く納税してもらう訳にはいかないしね。

適正な納税を実現しようとしても細かなことまで法律に書いてあるわけではないし、解説書を片っ端から見たり、判例等を探したり、税理士の友人の意見を聞いたりして無事申告を終えることができました。

 

やっぱり所得税はそれぞれの方の細かな事情まで関係することもあるので、早い目に資料をいただけると、それだけ時間をかけて充分に対応できます。

是非、ご協力くださいね。それがお互いの為になりますから。

 

 

明日、明後日は再度見直して間違いがないかの確認作業にあてます。

 

税理士 松井千春

2017,3,13

 

 

 

2017年3月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春

確定申告のストレスから解消されませんか?

この時期は精神的にも肉体的にもとても辛いです。

私の場合それは、確定申告ではなく寒さと花粉症です(;^_^A

 

もともと寒がりでウインタースポーツをしない人なので、確定申告で忙しくて遊べなくても平気です。

この仕事はとても大好きで、いろいろな業種の方のお手伝いができるので楽しいです。

もちろん、期限のある仕事なので日々大変ですけれど。。。

花粉症と肩こりがなければもっと頑張れるのにと思ったりします(笑)

 

 

今日もお客様から「お願いしてよかった」と仰っていただき、疲れも吹き飛びました。

 

お客様方か悩んでおられることが私たちには単純なことだったりします。

もちろん、税のプロなんですからあたり前ですが。

 

税理士に依頼すると費用がかかるから

 

こういう理由で足踏みされる方もおられますよね。

国税庁のHPでほとんどの申告ができますのでご自身でされることに反対はいたしません。

けれど内容をよく理解しないまま、不安に思いながら、ストレスに思いながら申告の準備や手続きをされているのでしたら、その悩んでいる時間等をご自身の時給に換算してみてください。

 

1日は24時間しかないのに、そんな貴重な時間をストレスに費やすなんてもったいないです。

営業や新メニューの開発やもっと有意義なことに使っていただきたいなと思います。

 

確定申告は税金の計算のためではありますが、ご自身の事業のことを数字で確認できるよい機会です。

何もかも税理士事務所に丸投げで、利益の構成や年税額等についてよくわからないという声もときどきお聞きします。

一年の振り返りの機会にもなりますので、決算書の内容はよくみていただいて、今年以降をどう経営していくのか是非ご検討をしていただきたいです。

 

ご自身で計算された場合でも、税理士等にご依頼いただいている方も是非!

 

 

税理士 松井千春

2017,2,25

 

2017年2月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春

所得区分について(個人所得税)

昨日は仕事に没頭していてブログアップを忘れていました^^;

 

さて、個人の所得税の申告は前回まで4回にわけて書いたわけですが、

個人ひとりひとりについてを考えると、千差万別、多岐にわたりすぎて何がなんだかわからなくなります。

法律ですべての事象をカバーすることはできないですし、毎年見直される項目もあります。

 

そうはいっても申告はしなければならないですしね。

自分にあてはまるのはどれ?と探し当てないといけないのが大変だと思います。

 

その中の所得の区分もやっかいなところがあります。

所得は

1事業所得

2利子所得

3配当所得

4不動産所得

5給与所得

6譲渡所得

7一時所得

8雑所得

9山林所得

10退職所得

 

以上10種類に分類します。

自分の所得が上記のどの所得なのか?

事業所得、配当所得、譲渡所得は総合課税のもの、分離課税のものがあります。

事業といってもいいほどの不動産の賃貸業をされていても、不動産賃貸は不動産所得になります。

一時所得、雑所得というのも漠然としていて区別もつきにくいです。

ある程度は国税庁のHPや解説本などで紹介されていますが、しっくりこないというか判らないものもあるのではないでしょうか?

 

例えば、

①サラリーマンが週末だけ飲食店を経営すれば、その飲食店の所得は?

②サラリーマンが所有している物件を賃貸にだした、その賃料収入に係る所得は?

③サラリーマンが作曲をしてそれが販売等された場合の印税収入は?

④サラリーマンが執筆をしてそれが出版された場合の印税収入は?

 

事業所得や不動産所得に該当するなら、青色申告の承認を受ければ各種の特典が利用できます。

その特典とは、

青色申告特別控除(10万円、65万円)

青色専従者給与の支給

損失の繰越…など

 

雑所得に該当すると上記のような特典は利用できません。

③④については、内容や規模等にもよりますが雑所得に該当する可能性がとても高いです。

ご自身が「事業」として認識していても、税法的には「雑」と判断されることもあります。

 

悩んだときは、、、税務署・税理士にご相談ください。

 

 

税理士 松井千春

2017,2,24

2017年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春

所得税の確定申告4 分離課税

分離課税には源泉分離課税と申告分離課税があります。

源泉分離課税は、収入から直接徴収して他の所得と分離して課税するものです。

預貯金の利子や上場株式等に係る配当所得等、源泉ありの特定口座内で行う上場株式等の譲渡所得等などが対象です。

このうち、上場株式等に係る譲渡所得等や配当所得等は申告することも可能です。

既に源泉徴収で課税が終わっているのに何故かって?

それは前年以前の譲渡損と差引したり、他の特定口座との通算で源泉された税金を還付してもらうことができるからです。

 

申告分離課税は、土地建物等の譲渡、上場株式等に係る配当所得等(申告不要もあり)、上場株式等に係る譲渡所得等(源泉なし)、一般株式等に係る譲渡所得等、先物取引の事業所得・雑所得、山林所得、退職所得があります。

こちらは申告時に総合課税の所得や他の分離課税の所得と分離して税額を計算します。

退職所得も退職所得控除額を超える部分は源泉徴収されますので一年に複数の退職所得がなければ申告は不要な場合が多いです。

但し、「退職所得の需給に関する申告書」を会社に提出していない方は20.42%(復興特別所得税含む)で源泉徴収されていますので申告が必要です。

 

基本申告不要の退職所得で源泉徴収された税額が戻る場合があります。

 

総合課税で引ききれなかった所得控除額がある場合

総合課税の損失と退職所得を損益通算できる場合

損失の繰越控除を退職所得から控除できる場合

 

損益通算、損失の繰越控除ともに通算・控除の順番が決まっているので注意が必要です。

 

 

数年前、無料相談の当番だったときにある老婦人がお友達の言葉としてこんなことを言っておられました。

一生懸命に事業をして懸命に働いた結果、税率は総合課税のためすごく高くなったのに、

株式を売って儲けている人はどんなにたくさん設けても20.315%(復興特別所得税含む)だけなんて!と。

もしかしたらその頃は10%だったかもしれません(;’∀’)

 

景気対策等で上場株式等の譲渡益や配当所得等に対する税率は一律ですので、超過累進税率の総合課税より有利になることがあります。

なんだかなぁ….と思っておられる方もありますよね。

 

 

個人所得税は所得の種類、所得それぞれの計算方法や申告不要制度などとても複雑です。

今回4回にわたって書いてきましたが書き足りないというか、説明しきれないとういうか。

説明すればするほど難しい言葉になってしまって(汗)

 

自分の場合はどうなの?

 

気になる方は是非ご相談ください。

 

税理士 松井千春

2017,2,21

 

2017年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春

所得税の確定申告3 総合課税の税率

前回までにご紹介した「総合課税」とは、その名のとおり所得を総合して課税するものです。

そして、総合された所得から所得控除を控除した金額に税率を掛けるのですが、この税率が「超過累進税率」です。

税率は5%~45%まで段階的に高くなります。

4,000万円を超えたからといって、すべての所得が45%になるわけではありません。

上図のように階層ごとの税率を適用し、4,000万円を超えた部分が45%が適用されます。

でも階層ごとに税率を掛けていくのは大変なので速算表があります。

 

以下、国税庁のタックスアンサーより

 

 

 

 

 

 

 

 

総合所得が大きくなると税負担が大きくなって大変なんですよね。

 

この総合課税とは別に「分離課税」の所得があります。

これは、租税負担の軽減や経済対策などいろいろな理由で、他の所得は分離してそれぞれに定めた税率を適用します。

 

分離課税についてはまた後日。。。

 

税理士 松井千春

2017,2,19

 

 

 

 

2017年2月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春

所得税の確定申告2

前回の一覧表は、所得とその計算の仕方、所得控除とその計算の仕方又は金額について28年分の所得税の確定申告用となっておりますのでご注意ください。

平成29年分からは医療費控除に改正が入っていますし、配偶者控除についても平成30年から改正されそうです。

また、所得の説明は総合課税といって、その人の一年間の所得を合算して計算するものだけとなっています。

実際の申告時には分離課税といって、総合課税とは区別して税額を計算するような所得も計上しなければならない場合があります。

分離課税の所得の種類等についてはまた後日に書くことにします。

 

 

今日は、前回の表に記載した※印の解説とその他の補足をしたいと思います。

 

※1 利子所得については、国内の預金も利子所得です。でもこの利子所得は源泉徴収といって、収入から直接税金を控除するシステムになっています。

通帳に振り込まれている利息は既に税金を払った後になるわけです。

この利子所得で源泉徴収制度の対象のものは確定申告をすることはできない決まりになっています。

 

※2 総合課税の特別控除について

特別控除額は50万円です。

1年のうちに短期譲渡と長期譲渡があった場合には以下のように控除します。

例⑴短期の譲渡益が50万円を超える場合

①短期の譲渡益70万円-50万円=総合課税の短期譲渡所得の金額20万円

②長期の譲渡益50万円    =総合課税の長期譲渡所得の金額50万円

例⑵短期の譲渡益が50万円以下の場合

(短期の譲渡益30万円+長期の譲渡益30万円)-50万円=総合課税の長期譲渡所得の金額10万円

つまり、短期の譲渡益から先に控除するんです。

それと、控除という言葉は引ききれない場合はその金額までということです。

短期の譲渡益が20万円、長期の譲渡益が10万円あったとします。

譲渡益の合計が30万円<50万円の場合は30万円となります。

総合課税の特別控除に限らず控除とつくものはすべて同じです。

 

それと、総合課税の長期譲渡所得の金額ですが、他の所得と総合するときに、その1/2が課税の対象になります。

長期保有のものを譲渡した方が税金の負担が軽くなっています。

総合課税の譲渡所得ですが、譲渡(売買)をしたら何もかもを申告しなければならないわけではありません。

生活に通常必要な動産(例えば通勤用などの車、家財道具類)は課税の対象ではありません。

貴金属類やクルーザー、ヨット、事業用の車などが対象となります。

 

※3 一時所得の特別控除額も50万円です。

一時所得も臨時の所得なので税負担の軽減があり、総合課税の長期譲渡所得と同様に一時所得の金額の1/2が課税の対象になります。

 

※4 所得の合計を計算する際には以下のような決まりがあります。

損益通算

すべての所得が黒字の場合は合算すればいいのですが、不動産所得、事業所得、山林所得(これは分離課税です)及び譲渡所得の金額の計算上生じた損失は一定の法則により他の黒 字と相殺することができます。ただし、上記の所得であっても内容によっては損益通算の対象とならないものもありかなり複雑です。

事例で解説しようにも誤解を与えてしまってはいけませんのでここでは割愛させていただきます。

総合課税の長期譲渡所得、一時所得の金額を1/2にするのは損益通算後になります。

損益通算の結果、損失の金額が残る場合は、その残った金額の合計額を「純損失の金額」といい、翌年以降へ繰り越し又は前年へ繰り戻しすることができます。

 

繰越損失の控除

前年以前3年間に生じた雑損失や純損失で前年までに引ききれなかった金額を一定の順序に従って、今年の所得から差し引きしていきます。

引ききれない金額は翌年に繰越せますが4年を超えて繰り越すことができないので、25年分の損失が28年で引ききれなかった場合はその金額は繰り越せません。

 

上記を適用した結果を申告書の合計欄に記載します。

 

用語の解説

◇合計所得金額

扶養控除や配偶者控除などの判定に使用するものですが、次の①から⑦までの合計額になります。

① 純損失又は雑損失の繰越控除、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除及び特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除を適用する前の総所得金額

② 分離課税の土地建物等の譲渡所得の金額(特別控除前)

③ 分離課税の上場株式等に係る配当所得等の金額(上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用前の金額)

④ 分離課税の一般株式等及び上場株式等に係る譲渡所得等の金額(上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除又は特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除の適用前の金額)

⑤ 分離課税の先物取引に係る雑所得等の金額(先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除適用前の金額)

⑥ 退職所得金額

⑦ 山林所得金額

◇総所得金額の合計額

雑損失、医療費控除、寄附金控除の計算などに使用します。

合計所得金額に純損失・雑損失の繰越控除、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除及び特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除、特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除、先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除などの適用がある場合には、それらを適用して計算した金額をいいます。

 

 

※5 医療費控除を適用する際に、支払った医療費-医療費の補てん金額から控除する金額は次の金額のうち少ない方の金額となります。

①総所得金額の合計額×5%

②10万円

例)合計所得金額が100万円の場合、100万円×5%=5万円<10万円 ∴ 5万円

この場合、5万円超の医療費(補てん控除後)があれば、控除額の5万円を超える部分が医療費控除の対象となります。

つまり合計所得が200万円以上の場合は一律に10万円となるため、医療費(補てん控除後)が10万円を超えなければ医療費控除の対象にならないわけです。

 

 

税理士 松井千春

2017,2,17

2017年2月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春

所得税の確定申告 

個人の所得税の確定申告シーズンですね。

分かりやすいようにと表にまとめてみました。でもやっぱり複雑です!

次回以降に、※印の分も含めてもう少し解説をしていきます。

項目 所得の説明(主なもの) 所得の計算方法や金額など
所得 事業 営業等 商店の経営、医師・弁護士などの自由職業、漁業など 総収入金額-必要経費
農業 農業 総収入金額-必要経費
不動産 貸家、貸事務所、アパート、貸ガレージなど 総収入金額-必要経費
利子 国外の銀行に預けている預金の利子など※1 収入金額
配当 株式、出資金に対する剰余金の配当、利益の配当等 収入金額-株式などを取得するための負債の利子
給与 勤務先から受ける給料、賃金、賞与など 収入金額-給与所得控除額
公的年金等 老齢基礎年金、老齢厚生年金、恩給、小規模企業共済のbunkatu受け取りなど 収入金額-公的年金等控除額
その他 株主優待乗車券、生命保険会社から受け取る年金、会社への貸付金利子収入 総収入金額-必要経費
総合譲渡 短期 資産の譲渡(売却)によって生じた所得(土地建物等、株式等を除く)
譲渡した資産の所有期間が5年以下の場合
収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額※2
長期 資産の譲渡(売却)によって生じた所得(土地建物等、株式等を除く)
譲渡した資産の所有期間が5年超の場合
収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額※2
一時 生命保険の満期金や懸賞の賞金品、法人からの贈与など 総収入金額-その収入を得るために支出した金額-特別控除額※3
合計 上記の所得の合計※4 赤字の通算や繰越の損失など一定の調整が必要
所得控除 雑損控除 災害、盗難又は横領によって生活用資産などに損額をうけたとき
①差引損失額-総所得金額等の合計額
②差引損失額のうち雑賀関連支出の金額-5万円
いずれか多い方の金額
医療費控除 自分、自分と生計を一つにしている配偶者や親族の医療費を支払った場合 (その年中に支払った医療費-医療費の補てん金)-10万円※5
社会保険料控除 自分、自分と生計を一つにしている配偶者や親族の社会保険料(健康保険料等)を支払った場合 その年中に支払った金額
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済の掛金、確定拠出年金(企業型・個人型)、心身障害者扶養共済の掛金 その年中に支払った掛金の額
生命保険料控除 生命保険料又は掛金、介護・医療を保障する保険料等、個人年金保険料 支払った金額に応じて計算式に当てはめて計算した金額
地震保険料控除 地震や噴火又はこれらによる津波が原因となる火災、損壊、埋没又は流失等に備える保険料(旧長期損害保険料) 地震保険料はその年中に支払った金額の合計額(最高5万円)
旧長期損額保険料は支払った金額による計算式あり
寄附金控除 特定寄附金(国等に対する寄附(ふるさと納税含む)、公益社団、公益財団への寄附で一定のもの、政治活動に関する寄附、認定NPO法人への寄附で一定のものなど)を支出したとき その年中に支出した特定寄附金の額*の合計額-2千円
*は総所得金額の40%相当額が限度
寡婦・寡夫控除 その年の12月31日(年の中途で死亡した場合には死亡の日)の現況
寡婦=①夫と死別した後再婚していない②夫と離婚した後再婚しておらず、かつ扶養親族や生計を一にする子がいる
寡夫=妻と死別又は離婚してその後再婚していない人で生計を一にする子があること(合計所得金額が500万円以下であること)
寡婦・寡夫控除は27万円
特定の寡婦は35万円
特定の寡婦とは寡婦のうち、扶養親族である子がおり、かつ合計所得金額が500万円以下の人
勤労学生控除 その年の12月31日(年の中途で死亡した場合には死亡の日)の現況において自分が勤労学生の場合で合計所得が65万円以下でかつ、その所得のうち給与所得以外の所得が10万円以下であること(給与のみの場合は収入合計が130万円以下) 27万円
障害者控除 その年の12月31日(年の中途で死亡した場合には死亡の日)の現況において、自分又は控除対象配偶者、扶養親族が障害者である場合。障害者手帳等を所持されている方のほか、寝たきり等で複雑な介護よ受けている人など 障害者1人につき27万円、特別障害者があるときは1人につき40万円、
同居特別障害者は75万円
配偶者控除 その年の12月31日(年の中途で死亡した場合には死亡の日)の現在において、自己と生計を一にする配偶者(その年の合計所得が38万円以下に限る) 一般=38万円
老人=48万円 その配偶者がその年の12月31日(年の中途で死亡した場合には死亡の日)現在で70歳以上の場合
配偶者特別控除 生計を一にする配偶者の合計所得が38万円を超える場合 合計所得が380,001円~759,999円の場合、38万円~3万円の範囲での控除がある
扶養控除 その年の12月31日(年の中途で死亡した場合には死亡の日)の現在において、自己と生計を一にする配偶者以外の親族(その年の合計所得が38万円以下に限る) ①一般=38万円 16歳以上の人で以下の②、③以外の人
②特定=63万円 19歳以上23歳未満
③老人=58万円 70歳以上の同居している親(自己又は配偶者の親)
48万円 70歳以上の親族で同居の親以外
基礎控除 納税者(自己) 38万円
合計 所得から差し引かれる金額

 

税理士 松井千春

2017,2,15

2017年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春